読了本

ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜 (三上延、メディアワークス文庫)を読みました

ドラマ化もされた「ビブリア古書堂の事件手帳」の最新刊です。既刊の3冊は連作短編でしたが、今作は初の長編です。 今回の題材は『江戸川乱歩』。乱歩コレクターの家に残された金庫を開けるための鍵のありかと暗号の謎を解くというもの。シリーズの中で一番…

日経ビジネスアソシエ 2013年3月号「最新版 文具術」を読みました

日経ビジネスアソシエが文具特集だったので購入しました。「多目的ペンスタンド」の付録付きです。 プロが使う文具の技、一般の文具達人の活用法、文具の正しい使い方、新製品カタログなど内容は盛りだくさんです。文具の使いこなしを見るのが楽しみで買って…

法月綸太郎の功績(法月綸太郎、集英社文庫)を読みました

名探偵・法月綸太郎シリーズの短編集です。 ダイイングメッセージもの「イコールYの悲劇」、密室トリックの「中国蝸牛の謎」、都市伝説を題材にした「都市伝説パズル」、ミッシングリンクもの「ABCD包囲網」、首つり偽装の謎の「縊心伝心」の5編が収録されて…

犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題(法月綸太郎、光文社文庫)

星座にまつわる謎を名探偵・法月綸太郎が解決する短編集。パート1のこちらは牡羊座から乙女座までの6編収録されています。それぞれの星座に関するギリシャ神話とミステリ的な謎がリンクするという趣向が読ませます。本格ミステリはこういう趣向が合いますね…

ブラックジャック創作秘話2〜手塚治虫の仕事場から〜(原作:宮崎克・漫画:吉本浩二、別冊少年チャンピオンコミックス)を読みました

手塚治虫先生の仕事のエピソードを描いた漫画の第2弾です。「ブラックジャック〜」という題名ですが前作と違ってブラックジャック執筆時のエピソードではなく、虫プロでのアニメ制作や連載を抱えて九州で缶詰になる話が描かれています。 この漫画から伝わっ…

まほろ駅前番外地(三浦しをん、文春文庫)を読みました

先日読んだ「まほろ駅前多田便利軒」(感想)の続編です。前作の主人公である多田・行天コンビももちろん出てきますが、前作で脇役だった人達が語り手となっている短編もあります。いわゆる番外編ですね。なので「多田便利軒」を先に読んだ方が楽しめると思…

まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん、文春文庫)を読みました

架空の街「まほろ市」で便利屋を営む多田とそこに居候することになる高校時代の同級生行天が様々な依頼を受け、トラブルに巻き込まれていく話です。長編ではなく連作短編の形式ですが、いろいろな依頼を受けて物語が進んで行くのは便利屋という職業の物語に…

LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?(コグレマサト+まつもとあつし、マイナビ新書)を読みました

LINEというサービスについて書かれた本。と言っても使い方とかではなくて、LINEというサービスの特徴やこれからの可能性についてという内容です。 LINEというアプリが若い人の中で流行っているというのは知ってはいました。使ったことはないのですが、興味だ…

SOSの猿(伊坂幸太郎、中公文庫)を読みました

現代の物語に猿(孫悟空)や牛魔王などが出てきたりする何とも不思議な小説です。 引きこもりを悪魔払いで治そうとする「私の話」と株の誤発注事件の原因を調べる男について孫悟空が語る「猿の話」、その二つの物語が平行して語られます。この二つの話が終盤…

3月のライオン 8巻(羽海野チカ、ジェッツコミックス)を読みました

羽海野チカさんの将棋漫画の最新刊です。 この巻は丸ごと将棋対局のエピソードで、ひさしぶりに将棋漫画っぽい展開でした。 主人公の零は宗谷名人との記念対局。島田八段は棋匠戦で棋界最高齢の柳原棋匠との対決。棋匠戦の行き詰まる死闘が凄かったです。背…

うまや怪談(愛川晶、創元推理文庫)を読みました

落語家が事件の謎を落語演じて解くという「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズの3冊目。落語初心者の私にとっては、落語のネタを知ることもできるので一石二鳥で楽しみに読んでいます。 今回の短編集に収録されているのは「ねずみととらとねこ」「うまや怪談」「…

悪の教典(貴志祐介、文春文庫)

学校の先生がサイコパスだったというお話です。主人公の蓮実聖司は有能で生徒にも人気のある私立高校教師。しかし彼は他者との共感能力に欠けた生まれついてのサイコパスであり、自分の都合により障害となっている人物をためらいもなく排除していきます。前…

男たちは北へ(風間一輝、ハヤカワ文庫JA)を読みました

東京から青森までを自転車でツーリングする中年男が自衛隊の陰謀騒ぎに巻き込まれる話です。 主人公はアル中の中年グラフィックデザイナー桐沢風太郎。自衛隊の機密文書を拾ったことから騒動に巻き込まれます。この主人公桐沢の男臭さがたまらないです。また…

改訂完全版 異邦の騎士(島田荘司、講談社文庫)

名探偵・御手洗潔の最初の事件を描いたミステリです。 公園のベンチで目覚めた男には過去の記憶がなかった。偶然出会った女性・良子と暮らし始め、平和な日々が続く。ある日部屋で発見した自分の免許証に記載された住所を訪ね、日記を発見し自分の過去を知る…

床屋さんへちょっと(山本幸久、集英社文庫)

働く男とその家族の歴史を描いた連作長編です。 主人公の宍倉勲は製菓会社の2代目でしたが、会社を潰してしまった経歴の持ち主。70歳になった薫が墓地を見学に行く「梳き鋏」から社長時代のエピソード「万能ナイフ」まで時代をさかのぼりながら彼の人生が描…

僕たちのゲーム史(さやわか、星海社新書)

ゲームの歴史についての本です。「僕たちの〜」という題名通り30年くらいのゲームの歴史について、1974年生まれの筆者が書いています。かといってノスタルジーではなく、当時の文献をベースに制作者の考えを引用しながらゲームの試行錯誤の歴史を解説してい…

談志亡き後の真打ち(立川志ら乃、宝島社)

土曜日の独演会で購入した立川志ら乃さんの書籍です。志ら乃さんの落語への考え・思いや真打ちトライアルのネタについての解説、師匠である立川志らくさんと兄弟子立川談笑さんとの対談など盛りだくさんの内容。 真打ちになるという時期に自分自身の落語につ…

星をつくった男 阿久悠と、その時代(重松清、講談社文庫)

作詞家・阿久悠の生涯の軌跡を追ったノンフィクションです。沢山の関係者に取材していて、非常に読み応えのある作品でした。ピンク・レディーをはじめ数々のヒット作をつくり出した時代の熱さのようなものを読んでいて感じました。阿久悠がヒット作を連発し…

TOKYO BLACKOUT(福田和代、創元推理文庫)

東京へ電力を送っている送電線が次々に破壊されるテロが発生。電力が不足し未曾有の大停電が東京を襲うというクライシスノベルです。東京大停電という事件は以前だったら全くのフィクションだと思ってしまうところですが、東日本大震災が起こった後の現在と…

とめはねっ!10(河合克敏、ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ!ももう10巻なんですね。文化系部活マンガ(一部柔道)として安定の面白さでした。 今回は修学旅行が舞台です。修学旅行といっても書道部として寺や博物館で「書」を観るのが中心。「すんしょうあん色紙」などかなの書や木簡に書かれた楷書以前の…

Pen+「大人のための藤子・F・不二雄」

今日9/3はドラえもんの誕生日100年前です。それを記念して雑誌Penの別冊で丸ごと藤子・F・不二雄特集が出ていたので、購入しました。 先日の009の特集でも思いましたが、Penはカラーが綺麗ですね。藤子F作品のカラーイラストが美しいです。『大人のための…』…

虚栄の肖像(北森鴻、文春文庫)

絵画修復師・佐月恭壱が主人公の短編ミステリです。前作「深淵のガランス」に続く第二弾短編集となります。 絵画修復の対象となる美術品には様々な人間の思惑が隠されており、絵画修復師・佐月がその美術品と対峙することで隠された真相を見いだすというのが…

Pen 9/1号が009特集

サイボーグ009特集ということで購入しました。雑誌Penを買うのは初めてかも。Pen (ペン) 2012年 9/1号 [雑誌]出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2012/08/16メディア: 雑誌購入: 3人 クリック: 14回この商品を含むブログ (14件) を見る今年009の新作…

あるキング(伊坂幸太郎、徳間文庫)

何とも不思議な小説でした。シェークスピアの「マクベス」をモチーフにした悲劇です。 野球の「王」となる運命を持って生まれてきた少年「王求(おうく)」が、その突き抜けた野球の才能(努力も凄いですが)で活躍し破滅する話です。そのすさまじいまでの野…

それでも町は廻っている10(石黒正数、ヤングキングコミックス)

通称「それ町」の最新刊を読みました。『それ町』は商店街のメイド喫茶を舞台にしたマンガです、って書くと萌え系の漫画だと思われるかもしれませんが、それとはどちらかというと逆方向にある日常系漫画です。主人公の歩鳥が推理小説好きなので日常の謎系の…

攪乱者(石持浅海、ジョイノベルス)

政府転覆を目指すテロリスト工作員の男女三人が主人公の話です。 政府転覆を目指すと行っても爆弾テロ等を行うのではありません。3個のレモンをスーパーに置いてくる、砂場の砂にプラスチック粒を混ぜた後にアライグマ置いてくる、新聞紙を丸めて入れた紙袋…

天地明察(冲方丁、角川文庫)

碁打ち・暦法家の渋川春海が貞享暦を打ち立てるまでの物語です。定石を打つだけの碁打ちとしての仕事に飽き、「真剣勝負がしたい」と算術と天文観測に熱中した青春時代から挫折を経て日本独自の暦である大和歴が採用されるまでの生涯が描かれます。 晴海自身…

ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜(三上延、メディアワークス文庫)

謎が気になって3巻一日で読んでしまいました。 3巻は、古書市での盗難事件、子供の頃読んだ絵本探し、遺品の本盗難事件の3つの短編が納められています。その中でも子供の頃読んだ絵本を探す話しが一番好きですね。1作目でも坂口夫妻の出てくる話が好きだった…

ビブリア古書堂の事件手帖2〜栞子さんと謎めく日常〜(三上延、メディアワークス文庫)

先日読んだシリーズの第2巻です。前作に引き続き、古書にまつわる話が3編収録されています。 シリーズ2作目と言うこともあり、主人公の栞子さんの謎がメインに据えられています。アルバイト店員の大輔の元カノも出てきたりして、恋愛ストーリー的な要素も増…

南国トムソーヤ(うめ、新潮社バンチコミックス)

大東京トイボックスのうめ先生の最新作です。最果ての跳照那島に東京から転校してきた少年のお話です。都会から来た少年の異文化との交流ストーリーだと思って読み始めたのですが、最果ての島の風習や祭祀、創世神話などいろいろな謎が絡んでいる冒険譚でし…