ビブリア古書堂の事件手帖３〜栞子さんと消えない絆〜（三上延、メディアワークス文庫）

謎が気になって3巻一日で読んでしまいました。
3巻は、古書市での盗難事件、子供の頃読んだ絵本探し、遺品の本盗難事件の3つの短編が納められています。その中でも子供の頃読んだ絵本を探す話しが一番好きですね。1作目でも坂口夫妻の出てくる話が好きだったので、この夫婦のキャラクター、特に奥さんのしのぶさんの明るさが良いのです。辛いエピソードが多いこのシリーズの中で、その明るさが印象に残ります。
この三作に共通しているのは、「家族」についての話しだということです。ビブリア古書堂シリーズを3作通して読んだのですが、この作品のテーマは『家族』なのだと思っています。父から娘へ残された本や祖母が持っていた本など本を通して家族の知らなかった面を知るという話しが多いからです。主人公の栞子さんの失踪した母親についてもシリーズを通して語られることからも、作者は家族というものを本を通して書いていきたいと考えているのかなと思いました。
2巻で提示された謎も3巻でだいぶ明らかになって一安心。冬に出る予定の続刊が楽しみです。

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)