攪乱者(石持浅海、ジョイノベルス)

政府転覆を目指すテロリスト工作員の男女三人が主人公の話です。
政府転覆を目指すと行っても爆弾テロ等を行うのではありません。3個のレモンをスーパーに置いてくる、砂場の砂にプラスチック粒を混ぜた後にアライグマ置いてくる、新聞紙を丸めて入れた紙袋を網棚に置いてくるなど一見すると何処がテロ行為?という奇妙なものばかり。
男女3人組が工作員として上記の任務を行うのですが、その目的を解説するのが正体不明のメンバーの「串本」。国民に不安を抱かせることが組織の目的であり、そのための任務の目的を推理して主人公達に解説するのです。テロ行為と本格推理という組み合わせの妙が意外性があり面白いです。9つの短編での連作なのですが、後半に行くにつれて工作員達の運命が少しずつ変えられていくというサスペンス的な展開もあるのです。このラストが意外すぎて衝撃でした。
最初に置くレモンからの連想なのでしょうが、各短編集のタイトルが文学作品から取られているのも面白い趣向でした。。(檸檬、一握の砂、舞姫など)

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)

攪乱者 (ジョイ・ノベルス)