ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜 (三上延、メディアワークス文庫)を読みました

ドラマ化もされた「ビブリア古書堂の事件手帳」の最新刊です。既刊の3冊は連作短編でしたが、今作は初の長編です。
今回の題材は『江戸川乱歩』。乱歩コレクターの家に残された金庫を開けるための鍵のありかと暗号の謎を解くというもの。シリーズの中で一番推理小説っぽい話だと思いました。
今回の古書は乱歩の作品のなかでも、少年探偵団シリーズと初期短編が主に扱われています。私も小学生時代に少年探偵団シリーズ(ポプラ社版)にどっぷりはまった思い出があるので、懐かしさとともに楽しく読めました。「少年探偵ブラウンシリーズ」と「少年探偵団シリーズ」に子供時代に触れたことが、ミステリ好きの今の自分をつくったといっても過言ではないのです。あの毎回怪人が出てくる奇想天外な世界が魅力的だったなあ。初期短編ネタも新潮社文庫の「江戸川乱歩傑作選」で読んだことがあったので、こちらも元ネタが分かって読みやすかったですね。
謎自体はそれほど難しいものではないので、読みやすくてさくっと読めてしまいます。相変わらずライトな語り口で読みやすいです。多くの人に支持されているのもその辺にあるのかなと思いますね。ミステリ好きからするとちょっと物足りない気もしますが…。
栞子さんの母親の謎が徐々に明らかになったり、栞子さんと五浦君の関係が進みそうな感じがしたりと次巻の展開が気になりますね。

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)