ブラックジャック創作秘話2〜手塚治虫の仕事場から〜(原作:宮崎克・漫画:吉本浩二、別冊少年チャンピオンコミックス)を読みました

手塚治虫先生の仕事のエピソードを描いた漫画の第2弾です。「ブラックジャック〜」という題名ですが前作と違ってブラックジャック執筆時のエピソードではなく、虫プロでのアニメ制作や連載を抱えて九州で缶詰になる話が描かれています。
この漫画から伝わってくるのは、手塚先生の妥協しない姿勢。アニメ制作で何度もリテイクを繰り返して、毎日ほぼ徹夜という状況でも一切妥協しないのです。しかも、アニメ制作の合間に連載漫画の執筆までやるのですから、天才っていうより超人ですね。
手塚先生と仕事をした人達が語る場面が多く出てきますが、その誰もが嬉しそうに語っているのが印象的でした。魅力的な人だったのですねえ。手塚治虫というと「漫画の神様」的な語られ方をすることが多いですが、この漫画は手塚先生のわがままなども描かれていて、「手塚治虫」の人間としてのの魅力が伝わってきます。
後にコブラを描く寺沢武一さんが虫プロ時代に手塚先生に赤いきつねを買ってくるように言われたときのエピソードが凄いです。仕事場(高田馬場)近くのコンビニで買ってこようとした寺沢さんに対して手塚先生が一言。

高田馬場赤いきつねじゃなくて、下北沢の赤いきつねが食べたいんです!

絶対同じだと思うんですけど(笑)。もう無茶苦茶です。結局タクシーで下北沢まで行って買ってきたのだとか。

手塚治虫って取っつきにくいと思っている人に読んでもらいたい漫画です。