のび太の恐竜

映画ドラえもん のび太の恐竜 [DVD]

映画ドラえもん のび太の恐竜 [DVD]

のび太が恐竜の卵を発見→ピー助の誕生→現代では飼えないので1億年前に→間違ってアメリカ大陸に置いてきた(ピー助は日本産)→皆で1億年前に→タイムマシン壊れてタケコプターで移動するはめに→ピー助を狙う悪党登場、どうなる?
という感じで、まさに飽きさせないストーリー。無駄がないというのがすごい。
恐竜の描写や昔の風景の描きこみなど1作目なのでスタッフの気合いが伝わってくるようです。画面の片隅で、大きなトンボが飛んでいたりとすごく細かい。ラストの別れのシーンもそれほどじっくりとは描かれず感動というよりは、爽快な冒険活劇といった感じでした。もうちょっと泣けるストーリーだと思ったので拍子抜けでした。

これ以降のドラ映画は「異世界の住民との交流、別れ」が描かれているのですが、「のび太の恐竜」というのは大昔への旅行というのがメインの描写でちょっと異色なんですね。ピー助以外との交流がない。その世界と別れることへの感情移入が足らなくなるということなのかもしれません。それが余韻の違いになっているのかも。まあ、感動することを前提に作っているわけでもないのでこのくらいがちょうどいいのかもしれませんが、最近の泣かせるドラ映画を見慣れた私にとっては、物足りなさもあったり…。


久しぶりに見てみてびっくりしたことを列挙してみます。

  • オープニングが「ぼくドラえもん」。「ドラえもんのうた」ではない。
  • ピー助が「ピューイ」と鳴く。しかも成長すると低い声に!
  • しずかちゃんが意地悪である。優等生ではない。

原作コミックスは何度も読み返しているので話は覚えていたのです。当時出ていた映画のガイドブックも持ってますし。
でも、オープニングからして記憶と違うんだもの。頭の中で勝手に補完していたらしい。最近のドラ映画は「ドラえもんの歌(こんなこと♪)の方なので1作目もそうだと思い込んでました。まあ、当時のOPが「あったまぴかぴか♪」なので、良く考えれば当然なんですが。
キャラの性格付けが初期原作に近いです。しずちゃんが優等生ではなくちょっと意地悪なのは意外。原作では結構意地悪キャラだったりするんですけど、アニメでは優等生だと思っていたので。作画も大山ドラ最後の頃とくらべれば、かなりコミックスに近い(ドラの口が3の字とか)です。


ああ、こんな絵だったなあと懐かしがりながら見ました。自分にとって、アニメドラというのは、夕方10分間やっていたころが基本としてあるんだなあと実感しました。大山さんの声的にも、演技的にも「のび太の友達」としてのドラえもんのスタンスが新鮮でした。タイムマシンが壊れたことを皆に言えないドラえもんがなんとも可愛らしい。茶目っ気あるよなあ。いつから、保護者目線になってしまったのだろう…。そういう意味で、今原点である「のび太の恐竜」を新スタッフでみられるのがすごく楽しみです。