鮫島の貌 新宿鮫短編集(大沢在昌、カッパノベルス)を読みました

新宿鮫シリーズの短編集です。どれも短い話が全部で10編収録されています。2時間くらいでさくっと読めるボリュームです。

鮫島が新宿署に異動してすぐの頃の話から最新作の後日譚までというこれまでのシリーズの隙間を埋めるような話でした。桃井課長のかっこよさにしびれる「区立花園公園」と嵐の夜の酒場のエピソードである「雷鳴」が雰囲気が素敵でした。大沢さんの小説は男が格好いいんだよなあ。芯が強い女性も素敵だけど。
珍しいところでは、「こち亀」の両津勘吉や「エンジェルハート」の冴羽などが出てくる短編も収録されています。面白いお遊びですが、鮫島と両津が一緒にいるのが凄い違和感ありました(笑)。

新宿鮫シリーズの1作目を読んだのは大学2年の時だったので、もう20年以上もこのシリーズとつきあっていることになります。今回久しぶりに新宿鮫シリーズを読んで、改めて鮫島の屈しない姿勢が格好いいと思いました。ハードボイルド作品の主人公で一番好きかも。それにしても、鮫島の次の活躍が読める日はいつになるんだろうか…。