『アニメーション美術監督 小林七郎展 −空気を描く美術−』を見てきました

杉並アニメーションミュージアムで『アニメーション美術監督 小林七郎展 −空気を描く美術−』を見てきました。

 アニメの美術は、アニメーションの背景画であることはもちろん、作品の世界観・雰囲気・タッチなども含み、キャラクターやストーリーと同様にアニメ作品を構成する重要な要素です。そして、テレビアニメ草創期からアニメ美術のトップランナーであり続け、また後進の育成にも尽力した人物が小林七郎氏でした。
 今回の企画展では、小林氏が関わったアニメ作品の中から、実際に作品で使用された背景画を展示し、作品ごとに変化する作風やタッチ、そして美術に込めた思いをご覧いただきます。また、2月には個人作家としてはじめての映像絵本『赤いろうそくと人魚』の発表会も行います。
http://www.sam.or.jp/kikaku.php#362

小林七郎さんが関わった「ガンバの冒険」、「家なき子」、「宝島」、「あしたのジョー2」、「少女革命ウテナ」、「のだめカンタービレ巴里編」、「探偵オペラ ミルキィホームズ」の背景画の実物が作品紹介と一緒に展示されていました。
私は小林七郎さんを知らなかったのですが、関わってきたアニメは多数見ていたので背景画を見るとそのアニメの映像がよみがえってきます。ガンバのノロイ島の不気味さやウテナの非現実的な舞台装置風学校などキャラクター以上に印象に残っています。アニメーション美術監督って『作品世界』をつくられている方なのだと実感しました。アニメというとキャラクターばかりが注目されますが、そのキャラクターを支えている『世界観』は美術がつくってるんだなぁと思いました。

赤いろうそくと人魚』の原画や映像も展示されていました。実際の映像と原画を見比べることができるので、どうやって動かして冊家しているのかがよく分かって面白かったです。この展示方法が凄く良いなあと思いましたよ。原画も悲劇的な童話の世界観に合っていて魅力的でした。