オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ(森達也、角川書店)

ノンフィクション作家の森達也さんの新刊を購入しました。同じ作者の「職業欄はエスパー」の続編となるノンフィクションで、エスパーや心霊研究家とのインタビューなどの関わりからオカルトについて書かれています。帯によるとなぜ人はオカルトから目が離せないのかというのがテーマとのことです。凄く興味惹かれるテーマです。

森達也さんの本は結構好きで、オウムについて書いた「A」「A2」「A3」やメディアの自主規制について書いた「放送禁止歌」など印象に残っている作品が多くあります。自分が直面している状況に対してひたすら悩んで悩んで、結局結論が出ないで終わる作品が多いのですが、それが妙にリアルに感じられるのです。どの作品も取材対象について書いているはずが、書き進めていくうちに森さん自身の内面があぶり出される形になってきます。ノンフィクションというと客観的な作品という印象を持ちがちですが、結局は対象に対する作者の目線の投影で完全な客観など作品としてありえない、ということがわかります。

雨のため明日の外出予定がキャンセルになったので、家でゆっくり読んでみよう。