真鍮のむし(田中啓文、創元推理文庫)を読みました

ジャズバンドのテナーサックス奏者の永見緋太郎が探偵役のミステリ短編集。音楽馬鹿で世の中に疎い永見が、日常で起きた不思議な事件の謎を解き明かすという「日常の謎」ミステリです。
シリーズ3作目の今回は、日本を飛び出してニューヨーク、シカゴ、ニューオリンズが舞台の作品も含まれていて、ジャズを通してアメリカを見るというのが目新しくて面白かったです。
7編が納められているのですが、最終話の「狐につままれる」があり得ないトリックに「そんな馬鹿な!」と笑ってしまったのでベストかな。
読み終わるとジャズが聴きたくなるそんな作品でした。