新参者(東野圭吾、講談社文庫)を読みました

東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ「新参者」を読みました。長編なのですが、エピソード単位では短編の形式という連作短編みたいな感じで面白かったです。
日本橋で起きた女性の殺人事件がメインの謎なのですが、日本橋に暮らす人々のトラブルや謎が解決されていく過程で徐々に殺人事件の捜査が進んでいくので、ついつい続きが気になって読み進めてしまいました。
それぞれの話で人の優しさ(作中では人情とよばれていました)に心を打たれます。最後のエピソードで殺人事件の真相が分かったときはものすごく嫌な感じと喪失感がありました。物語としての推理小説を読んでいてこういう気持ちになるのは珍しいです。東野ミステリの新境地なのではないかな?
阿部寛さん主演でテレビドラマにもなっていましたが、エピソード毎に謎が解決するのは連続ドラマ向きだと思いました。ドラマは見ていないので、見てみたくなりました。DVD借りてこよう。

新参者 (講談社文庫)

新参者 (講談社文庫)