梅佳代展(東京オペラシティアートギャラリー)を見てきました


梅佳代展 UMEKAYO|東京オペラシティアートギャラリー

初台の東京オペラシティアートギャラリーで行われている「梅佳代展」を見に行ってきました。写真家・梅佳代さんの美術館初個展です。
梅佳代さんは、日常風景をスナップ風に切り取る作品を撮り続けている写真家です。角川文庫の太宰治作品のカバー写真になっていたこともあったので、書店で見ている方も多いかも。

人間失格 (角川文庫)

人間失格 (角川文庫)

女生徒 (角川文庫)

女生徒 (角川文庫)

晩年 (角川文庫)

晩年 (角川文庫)

ヴィヨンの妻 (角川文庫)

ヴィヨンの妻 (角川文庫)

展示内容は梅佳代作品の原点となるストリートスナップの「シャッターチャンス」、初期作品の「女子中学生」、ふるさとを撮った「能登」、1990年から現在まで祖父を撮り続けている「じいちゃんさま」、大阪の小学生を撮影した「男子」という構成でこれまでの梅佳代作品を一気に見ることができます。それぞれかなり大きくプリントされている作品ばかりで、迫力がありました。

梅佳代さんの作品は見ているとすごく楽しい気分になります。日常の面白い風景を撮っているというのもあるんですが、写っている人たちが凄くいい表情をしているんですよね。これって、写る対象の人に対して心の距離が近くないと写せない表情だと思うんです。写る人との関係が凄くいいんだろうなぁ。梅佳代さんはこの被写体との近寄り方が天才的なんじゃないでしょうか。一見誰でも撮れるような写真に見えますが、この距離をつめていく能力がないとこういう写真は絶対撮れないです。
梅佳代さんは「朝起きてから夜寝るまで全部がシャッターを押す範囲」だそうです。常にカメラを持って自然にシャッターを切りまくる、そういう日々が被写体に撮ることが特別だと思わせない独特の「ウメップ」を生み出す秘訣なのかなと思いました。
写真を見ている人皆笑って写真について話しているという、面白い写真展でした。