藤子不二雄A先生トークショー

まんが道刊行記念のトークショーUstream中継があったので自宅で視聴しました。家にいながらイベントが観られるなんて良い時代です。
漫画家のあらゐけいいち氏(日常の作者さん)との二人のトークでした。トキワ荘時代の仲間の話や原稿を落とした話など何度聞いても面白いです。今回は漫画家の方がゲストということで、「描いていく内に読者との関係を含めてキャラクターが成長していく」など漫画家同士ならではのトークもあり新鮮でした。
あらゐ氏はマンガを持ち込んでだめ出しされた辛いときにまんが道をよんで救われたという話をされていました。『まんが道』は漫画家だけでなくて多くのクリエーターの人にとっても大きな影響を与えている作品です。(ホームレスギャグ漫画家の浜田ブリトニーさんもマンガ喫茶まんが道を読んで漫画家を志したというエピソードもあります)この作品がなかったら今現在活躍されているクリエーターの人の何割かはいなかったのではないのかと思います。これが今回決定版として発売されるのは大きなことではないかと思いました。
普通の会社員として働いている私にとっても「まんが道」は大きな影響を受けています。満賀道雄が高校卒業後に新聞社に勤めるのですが、彼が最初に配属された図版部の先輩である「変木さん」の仕事に対する姿勢です。道具をきちんと扱うことと小さな仕事でも一生懸命することの大事さをこの漫画から学びました。会社員としての経験がある我孫子先生だからこそこういうエピソードを描けるのだなあと思います。
我孫子先生は遊びや趣味など豊富な経験から生まれてくるので人間味にあふれたキャラクターが多いのがその魅力の一つなんですよね。対照的に想像だけで世界観を作れる藤本先生の才能も素晴らしいです。そういうキャラクターが違う二人がコンビを組んでいたということが凄く面白いし運命的なものを感じてしまいます。
我孫子先生には長生きしていただいて、「愛・知りそめしころに…」を完結させていただきたいですね。