博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話(サイモンウィンチェスター、ハヤカワ文庫)

博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)

博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話 (ハヤカワ文庫NF)

英語辞書だけでなく世界最高の辞書と言われるOxford English Dictionary。その完成に貢献した二人の男のノンフィクション。
妄想から殺人を犯して精神病院に収容されたW. マイナー博士の人生が主な比重をもって語られます。
彼が殺人を犯したことにより、精神病院に閉じこめられ、その結果集中した仕事により、OEDの完成へ大きな貢献をしたというのが非常に皮肉です。
二人の男の物語だけでなく、辞書編纂の読み物としても面白く読めます。すべての言葉を集めるという膨大な作業の解説は普段使用している辞書に対する見方が変わりそうです。「シェークスピアの時代には辞書はなかった。かれはその言葉の用例が正しいかを判断する術を持っていなかった」など、「へー」っていう知識も満載。面白かったです。